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ベネチアビエンナーレ編:コヨ・クオからのメッセージ
さまざまなご縁が重なって2026年のベネチアビエンナーレ(以下VB)の日本館代表の荒川ナッシュ医さんのスタジオマネージャーを務めています。せっかくなら記念すべきその展示を観に行こうということで、ベネチアに本当に行ってきました。様々な出来事があった今年のVBですが、全体のメッセージや国別パビリオンの所感などいろいろあったので、数回に分けて記録を残したいと思います。初回は、今回の全体キュレーターであり2025年に急逝したコヨ・クオからのキュラトリアルステートメントの読み解きです。 ARTnews Japanより引用 今年、VBは"In Minor Keys"というテーマを掲げて110の参加者(個人・デュオ・団体を含む)を集め、GiardiniとArsenaleで展開されました。仕事上国別パビリオンでほとんど構成されるGiardiniに滞在していることが主だったのですが、ふと疑問が沸き上がりました。「Minorとはなにか。」 公式カタログでクオが残したステートメントでは、Minor Keyの着想が実は音楽の短調から始まっていることが明らかにされています
Kanako Nagayama
9月7日読了時間: 5分


今、ホワイトキューブを考える
前回までは唐突に日本と韓国の美術館の比較をしていましたが、やっと日本の美術館(厳密には公立博物館・美術館としましょう)の話に戻りたいと思います。 さかのぼること1980年代後半、日本は当時の経済状況を踏まえ地方債を多く発行する政策に踏み切りました。それから約10年間の間に、日本国内の地方自治体は地方債を使って多くのハコモノを建設するに至ります。その結果の一部が、今日も各都道府県に多く残されている地方自治体による公立博物館・美術館たちです。 しかし建設されて30~40年が経過し、建築物として老朽化してきたハコモノは今や維持管理が必要な公共文化インフラとなりつつあります。文部科学省は平成23年(2011年)に「博物館の設置及び運営上の望ましい基準」を公示し博物館等の維持の重要性を強調する一方で、国・地方自治体ともに文化政策に割かれる予算は極めて限られたものです(参照:https://www.mext.go.jp/a_menu/01_l/08052911/1282457.htm)。 むろんその予算には、作品そのものの維持管理だけでなく新規獲得、また当然
Kanako Nagayama
8月11日読了時間: 5分


MMCA「Damien Hirst: Nothing Is True But Everything Is Possible」から考える日韓博物館の比較②
少し空いてしまいましたが、前回に引き続き韓国の国立現代美術館(MMCA)で開催されていたダミアン・ハースト展をもとに日本との比較をあぶりだしていきたいと思います。今回は「展示物」の線引きについて一つ。 The Physical Impossibility of Death in the Mind of Someone Living まず前提として、前回でも少し触れましたが博物館法によって定められる「博物館」の内容が日本と韓国では異なっています。日本では「博物館」にはいわゆる歴史資料館、美術館、植物館、動物園など、さまざまな資料を保存(飼育も含まれますが)し公開することが含まれています。一方、韓国では博物館・美術館に特化した「博物館法」が定められており、その対象は紙媒体の資料や絵画、彫刻などの芸術作品に限られるという違いがあることを確認しました。 日本の博物館法という法律の上では、美術館・博物館に特化した展示や資料保存のルールやポリシーというものは提示されていません。しかし、学芸員の資格を取得するにあたって履修する「博物館資料保存論」や「博物館展示
Kanako Nagayama
7月31日読了時間: 5分


MMCA「Damien Hirst: Nothing Is True But Everything Is Possible」から考える日韓博物館の比較①
日本に絞り込んだ話から始めようかと思っていたのですが、直近で韓国の国立現代美術館(MMCA)に訪れる機会があったのでそちらをもとに日韓の博物館法の比較をしてみたいと思います。 The Physical Impossibility of Death in the Mind of Someone Living MMCAでは当時ダミアン・ハーストの個展「Nothing Is True But Everything Is Possible」(2026年3月20日~6月28日)と企画展「This Is (NOT) Conceptual Art」の2つが開催されていました。ここで注目したいのはMMCAのコレクション展はこの期間開催されていなかったということです。のちに②で考察しますが、これには展示室構成や、作品保護の観点がその要因としてはたらいていたのではないかと考えます。 まず着目すべきは、韓国には「国立」の現代美術館があることでしょう。日本では公立の現代美術館は複数ありますが、国立機関では国立新美術館が現代美術を扱うことがある、という見方ができるくらいか
Kanako Nagayama
7月1日読了時間: 6分


はじめに
Welcome! This is an introduction of my new articles for art and culture with the view points of cultural politics and consultant experience.
Kanako Nagayama
6月15日読了時間: 2分
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